2006-01-01から1年間の記事一覧

ドッペルなあいつ〜その後

満員電車の中で、見覚えのある後姿を見た。 やや長めの、中途半端な髪。 解けかけたパーマのような、中途半端なウェーブ。 背は高めだが中肉。 霜降りの地味なジャケットに、派手な黄緑のズボン。 シャツはブラウン系。 アンバランスだ。 なんと言う悪趣味。…

ドッペルなあいつ

そいつの噂を最初に耳にしたのは、 藤沢市在住の級友からだった。 都内の大学に入って間もないころの話である。 「きのう藤沢で見かけたぞ。何してたんだ?」 と言われても、この数ヶ月、 藤沢なんぞに行ったためしがなかった。 その日を境に「俺」の目撃情…

続・空中游泳

昼寝から目覚めると俺がいた。 ベッドで仰向けになって口を開けている。 無様だ。 俺は空中から俺を見ている。 ここは天井の辺りだろうか。 ふっと空白がよぎって、気がつくと1階にいた。 俺の部屋は2階だった。 Nさんが来ている。 お袋の友達だ。 最愛の…

脳みそどろどろ

マイコプラズマってやつだ。 プラズマテレビとはなんの関係もない。 なにやらタチの悪い、細菌の親戚らしい。 そいつに肺をやられちまった。 つまりマイコプラズマ肺炎。 熱が出て咳が止まらない。 紹介状持参で大病院行って、 呼吸器の専門医に診てもらった…

空中游泳

川本さんは一時期、拒食症になったという。 原因は単純ではないだろうが、大きな引き金になったのは、 「やりたいこと」と「やりたくないこと」の、 板挟みになったことらしい。 私にも同じような経験がある。 「似合わねえな」とか「1週間もったら、ほめて…

ほほえみ王子

外出から戻って部屋に入ろうとすると、 待っていたかのように、にこにこ坊やがやってくる。 May I help you ? これ以上はないというほど、すばらしい笑顔だ。 もともと笑顔の素敵な少年であった。 その笑顔がさらにさらに、すばらしくなったのには、 わけが…

末期の足音

自分の生命力に自信がない。 それといって、生死にかかわりそうな、 深刻な症状があるわけではないが、 死神の足音が聞こえることが間々あるのだ。 そんな時つい、死神様に手を合わせてしまう。 せめて川本さん(註)の、 3枚目のアルバムを聴き終えるまで…

臭い縁

公園の公衆便所に駆け込む。 凄まじい悪臭。 水道が故障し、便器からモノが溢れていたのだ。 腹を押さえて、そそくさと退散する。 それにしても、トイレには、ろくな思い出がない。 大学入試の初日、最初の科目の直前だった。 急に便意を覚えてトイレに駆け…

「山羊王のテーマ」トラックバックキャンペーン

遅まきながら開設の辞であります。 このブログはいかに高尚なる目的を有するのか。 一言で言えば下心であります。 元川本真琴、現タイガーフェイクファ、こと川本和代さんが、 5年ぶりにニューシングルを出したんです。 相変わらず彼女にしか作れないような…

降臨

猫が降ってきた。 6階建てマンションの最上階のベランダ。 捨てられずに放置してある、ぼろぼろの手作りの本棚に、 ある日突然降臨したのだ。 上の段の狭いスペースに2匹の三毛が、 丸くなって身を寄せているのであった。 生後5〜6ヶ月、がりがりに痩せ…

声フェチ

好きな女性のタイプは、と訊かれれば、とりあえず 原田知世とか永作博美とか・・・と答える。 どこがどう好きというよりも、雰囲気、空気、持っているものの全体、 ひとことで言えば「一緒に居たいな」感が問題だ。 もちろん部分や要素を取り出して、たとえ…

川本さんちの猫

川本和代(真琴)さんは2匹の猫と同棲しているらしい。 ポン太と田吾作の茶トラ兄弟。 なんだかドリカム〜ELT状態だが、 どちらかが脱退なんてことはないでしょうね? 松本亀吉氏の直撃電話インタビューに登場するのも 彼らのうちのどちらか(もしくは両方)…

キャットフェイクファのサナトリウムな日々

突然なんの前触れもなく血を吐いた。 結核だった。 真っ先に心配になったのは猫どものこと。 移らないのか。 専門家に訊いたり調べたりしたら、どうやら大丈夫そうだ。 猫のことばかりではなく、入院は避けたい事情が多々あった。 無理を言って自宅療養を選…