2012-01-01から1年間の記事一覧

強い猫ほどよく吠えるか(2010年06月11日の日記)

「わさお」という、ブサカワ犬が大人気だが、 ここに登場するこいつは、さしづめその猫版。 不細工さでは、わさおの上を行っているのではあるまいか。 何よりこの汚さを見てほしい。 わがマンションに最近来るようになった新参者だ。 新参者というより、流れ…

ノロはノロノロやってくるか(2006年12月24日の日記)

ノロウイルスにやられたらしい。 らしい、というのは確認したわけではないからだ。 不思議な前兆があった。 その日、朝刊を読もうとしたら読めない。 文字が二重に見えるのだ。 下のほうに、ややずれて、やや薄くゴーストが出る。 こうなると、特に縦書きの…

ねじねじ(2006年12月20日の日記)

ねじねじが苦手だ。 パンツなどのゴム紐の捩れである。 ちょっと捩れているだけで、 いらいらして気が狂いそうになる。 風呂から上がって、パジャマに着替える。 ねじねじだ。 穿いたままウエストを両手でしごいて、 なんとか直そうとする。 うまく行かない…

うさぎ恋いしかの…(2010年05月17日の日記)

黄色く晴れた午後だった。 公園を斜めに突っ切って、待ち合わせ場所に向かう。 土曜日ということもあってか、昼日中から人の密度が高い。 小高い丘にある花壇の、低い石垣の囲いに腰掛けている、 ショートボブの女性が、目に飛び込んできた。 正面に何かを抱…

6階の少女(2008年8月24日の日記)

同棲中の二人の女がいる。 二人とも空から降ってきた。 一応そういうことにしている。 種を明かせば、2匹の野良猫少女なのだが、 マンションの6階に、突如として出現したのは、やはり、 尋常ではないかもしれない。 ある朝早く、猫の鳴く声がする。 かなり…

猫長明の方丈記(2010年06月4日の日記)

相も変わらず幼稚園児か小学生だ。 行事の前日には決まって、熱を出したり腹が痛くなったりする。 5月29日、京都鹿ケ谷法然院で夕刻から、川本真琴さんのライブがある。 数日前から熱っぽかったのだが、その日の朝は妙に顔がほてった。 早朝に測ってみると、…

雨に金木犀、馥郁と福井〜2009/10/23記

予報どおり雨が降り始めた。 関東では終わりに近い金木犀の香りが、雨の匂いに混ざる。 ただ川本真琴さんに会うだけの目的で、 福井市内まで来てしまった。 10月17日、土曜日の昼下がりである。 午後6時半から始まる福井CHOPでのライブには、 まだ…

インドラの南無阿弥陀仏卑弥呼舞う〜2009/10/21記

川本真琴さんのライブについて書く。 レポではない。 あくまでオマージュだ。 8月22日午後3時少し前、築地本願寺に着いた。 本堂で3時半からフリーライブがあるのだ。 空気はインドだった。 まるでコルカタ(カルカッタ)だ。 熱と水で膨れ上がり、呼吸…

カウントダウン to やぎ0(ゼロ)〜2009/1/30記

大事な夜を控えて、インフルエンザに魅入られた。 10錠のタミフルで、カウントダウンが始まる。 「37度2分の発熱」(川本真琴『微熱』)に、ちょっといい気になって、 医者にかかるのが一足遅れたのがいけなかった。 高熱が出なかったのは、平熱が低す…

テーブルで泣いていた女性客(2008年10月5日の日記)

「夜、川本真琴さんの『微熱』というシングルがふいに出て来て聴く。 イントロが始まった瞬間、川本さんやめてくれ!と言いたくなるような、 心のどこかをギュッとつかまれる感覚になる。」 豊田道倫さんの最近の日記に、こんな一節を見つけて、うれしくなっ…

寺の人(2008年9月17日の日記)

歌姫ならぬ歌王、永遠のヴォーカル王子布施明が、 バラードのカヴァーアルバムを出したそうだ。 あれだけ傑出した歌唱レベルの人だから、 紱永英明の『VOCALIST』シリーズに勝るとも劣らぬ、 傑作カヴァー集であることは間違いあるまい。 特に布施ファンとい…

かっちゃんは地味やから(2008年9月5日の日記)

豊田道倫さん主催の"DEEP"なるライブに向けて、 9月4日夕刻、家を出る。 出演者は豊田さんの眼で選んだ「ディープ」な面々なのだろう。 その一人が川本(真琴)さんなのだ。 夕食をとる時間もなさそうだから、 歩きながら、りんごをまる齧りする。 今の季節…

川本式(2008年7月11日の日記)

まったくの遊びではあるが、学生時代を中心に、 作詞作曲の真似事などしたものだった。 キーボードで自作を弾き語りするという、 恥知らずな真似までやらかしたが、 これはもっぱら、部屋の中で一人楽しむ、隠微な快楽だった。 ヤマハの音楽教室で幼少時に、…

微熱(2008年3月22日の日記)

風邪っぽいので熱を測ったら36度7分だった。 微熱だ。 …と思ったが、ちょっと気になった。 自分は平熱が35度台だから、 この数字は、かなり高いといえるのだが、 普通の子供だったら、この程度では、まったくの平熱だ。 微熱とは、いったい、どのくらいを言…

リバーサイドビジネスホテル(2008年3月8日の日記)

桜の季節が近づいて来た。 桜といえば、私にとっては、やはり、 川本真琴の『桜』である。 この曲が名曲であることは間違いない。 私も好きだ。 先の展開の読めない、スリリングな音符の連鎖。 それでいて、まったく自然で心地よい疾走感。 その意味では、い…

ビブラートでない人(2008年02月24日の日記)

ビブラートでない人が好きだ。 川本真琴(タイガーフェイクファ)、 the brilliant green(Tommy february6 & Tommy heavenly6)の川瀬智子、 MY LITTLE LOVERのAkko、 歌手としての原田知世… 私好みの女性ボーカルは例外なく、 ビブラートを効かせない歌い方を…

ぽんたご、あるいは気になる猫たち(2008年02月01日の日記)

「ぽんたご」という曲がある。 タイガーフェイクファ(←川本真琴)さんが、 最近のライブでよく歌う曲である。 風変わりな題名だが、川本さんの愛猫のことを知っていれば、 なんのことかは、すぐぴんと来る。 ポン太と田吾作の茶トラ兄弟である。 まだ音源化さ…

歌霊(2008年1月14日)

歌霊というものを考えてしまった。 言霊に倣って「うただま」である。 ばかげたハッピーマンデー制度で、 無理やり成人の日とされた14日、 冷蔵庫のような空気の中を高田馬場に向かった。 山羊座O型3人娘による「やぎOナイト」が待っている。 四谷天窓.co…

どうどうどうや? バンドでTiger!(2007年の日記より_2)

吉祥寺駅を降りると、冷たい雨が降っている。 「いとしの君」に逢いに、Star Pine's Cafeに向かっていた。 師走の22日、5時を少し回ったところ。 Tiger Fake Fur こと川本さんのライブ、 「年末!猪からの贈り物」が目的だった。 あいにくの雨も、あらか…

君見ル君想フ(2007年の日記より_1)

10月20日、青山のライブハウス「月見ル君想フ」で、 TigerFakeFur(川本真琴)に会う。 10年以上もファンでいながら、 生身の川本さんを見るのは、初めてだった。 川本さんを偏愛しているぼくには、 冷静に見ることも、公平に語ることもできそうにない。…

こんちゃん

「こんちわ」 ホームレスの権三郎さんが言った。 権三郎は本名ではない、 たぶん。 たった今、初めて遇って、とっさに浮かんだ名前だ。 小柄で丸顔で顎鬚のおじいさん。 5メートルにもなんなんとする空き缶の小山を、 後部に積み上げた自転車を手で押して、 …

ぼく、そうめん

猫をワクチン接種に連れて行こうとして悪戦苦闘していた。 そんな朝8時だった。 例によって、なかなか捕まらない。 猫は、とうに察している。 何とか浴室に追い込んでキャリーにぶち込んだ。 少しおしっこを放たれたが、衣類にはかからなかった。 今回の猫…

ぼっくり氏

ぼっくり氏が、うちに来たのは、ザリガニのせいだった。 近所の公園の遊歩道には、ときどきザリガニが出る。 公園を突っ切って用水路があり、 ザリガニは、そこに生息しているのだが、 木立の中の遊歩道は用水路から、相当に離れている。 ザリガニが自力で散…

ドグラ・マグラ

呼吸器系の病で、通院していたことがある。 呼吸器内科の外来は、精神科の外来と隣り合っていた。 診察を待つ間のつれづれに、お隣さんを見るともなしに見る。 みんなごく普通の人たちだ。 患者同士で穏やかに歓談したりしている。 誰一人として、心を病んで…

AUTOMATIC WRITING

automatic writingで、 こんな文章が飛び出してきた。 どうやらラテン語らしいのだが… Tondemona sum in Notre Dame. Serius unus versus est penuria in a valde divinatio of Nostradamus. Subtilitas of divinatio proventus drastically per condita sur…

たぶん夢なんだ牢

これは夢に違いない、 区別のつかないことも間々あるが、今回は確信がある、 と思った。 I市立西小学校の教室だろうか。 それとも同北中学校か。 大好きなマナミさんを前にして、ぼくは、 緊張のあまり棒杭のように硬直している。 マナミさんは笑う。 にこ…

JUGON BOY

上位10名による最終審査が、いよいよ午後に迫っていた。 アキヒコは鏡を見ながら、眉を動かしたり、口を歪めたりする。 予選を勝ち抜いていくうちに、だんだん自信が増してきていた。 そもそもの始まりは、女子高生のアヤちゃんだった。 アキヒコ本人に断り…

O星人

舞踏のような白塗りスキンヘッドの半裸男が、 目の前に立っている。 両手を後ろ手にして、腰と膝を軽く折り、 やや前のめりの姿勢で、俺を見上げている。 「だんな、作家さんですよね? 一目見りゃあ、わかりますよ」 不意に現れて、不意に声を掛けてきた。 …

三日月坂

月のない三日月坂を歩いている。 携帯が壊れ、時計は持っていないので、時間はわからない。 通り過ぎたどこかの電光掲示板が、10時少し過ぎを示していたので、 それよりも後であることは確か。 坂を上っている。 いや、上っていた。 さっきまでは確かにそう…

この木のキノコ

多肉植物の鉢植えにキノコが生えた。 生白いブナシメジみたいなやつが一本。 昨日は無かったような気がするのだが… けっこう日当たりのよい窓辺に置いてある。 西日もよく当たるし、じめじめもしていない。 とてもキノコに向いた環境とは思えない。 この不気…