きょうもきょうとて厄落とし

フォークで臍のゴマを掃除していたら、
孔の奥からボコボコとシュウマイがで飛び出してきて、
次々にその皮が向け、
中から猫とミョウガとウンコと初恋の女性が出てきた


…という夢を見た。
こういうタイプの夢を自分は日常的に見るのだが、
他の人はどうなのだろう?


夢の名残を全身に感じながら、朝刊を開く…


「私は、厄落としの人生って考えることにしています。
生きていると嫌なことがありますよね。
けがをするとか、携帯電話を落とすとか。
でも、もっとひどいことがあるはずだったのに、
これで厄落としができたって考えればいいんです」


…歌舞伎の名女形市川春猿さんが語っていた。


午前中は仕事をして、昼食後に出かける。


どこもかしこも、ちょっとした原っぱなら至る所、
白詰草が花盛り。
通りがかるたびに、四つ葉のクローバーを探したり、
花の首飾りを作ったりしたくなってしまう。
習性みたいなものだ。


公園の噴水池でギンヤンマを見た。
胸と腹の境目辺りの色でオスメスが区別できるのだが、
どちらかはっきりしなかった。
オスは水色で、メスは黄緑色である。
子供の頃から、とにかく、
ヤンマを見つけると、わくわくするのだ。


ハグロトンボだと、どきどきする。
イトトンボだと、切なくなる。


駅に着く。
ホームに上がると電車が出発間際だったので、飛び乗る。


「あっ…」


すぐに、乗り間違いに気がつく。
またうっかり特急に乗ってしまって、
降りたい駅を通り越してしまった。
20分は無駄になりそう…


目的の駅で降りたとたん、空気クラゲに捕まった。
頭を引っつかまれて引きずられ、気がつくと、
異様に女臭い場所にいた。
フェロモンがねとねとと肌に絡みつく。


しばらくしてやっと解放され、外に出ると、
咲いて間もないタチアオイの花が、
夕方の日差しを浴びていた。


(2012年05月29日の日記)